【自民党憲法改正草案】見やすい対照表で現憲法との違いが分かる!

現行憲法と自民党の憲法改正草案を比較する。憲法改正草案とQ&Aは、自民党公式HP上のPDF 『憲法改正草案 Q&A』より転載。

憲法改正草案 第47条 (選挙に関する事項)

(選挙に関する事項)
憲法改正草案第四十七条
選挙区、投票の方法その他両議院の議員の
選挙に関する事項は、法律で定める。
この場合においては、各選挙区は、
人口を基本とし、行政区画、地勢等を
総合的に勘案して定めなければならない。
現行憲法第四十七条
選挙区、投票の方法その他両議院の議員の
選挙に関する事項は、法律でこれを定める。




【Q22】
国会議員の選挙制度に関する規定を変えたのは、なぜですか?

【自民党の答】
 47条(選挙に関する事項)に後段を設け、「この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」と、規定しました。これは最近、一票の格差について違憲状態にあるとの最高裁判所の判決が続いていることに鑑み、選挙区は、単に人口のみによって決められるものではないことを、明示したものです。ただし、この規定も飽くまで「人口を基本と」することとし、一票の格差の是正をする必要がないとしたものではありません。選挙区を置けば必ず格差は生ずるので、それには一定の許容範囲があることを念のため規定したに過ぎません

 なお、この規定は、衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条1項の規定を参考にして加えたものであり、現行法制を踏まえたものです。
   (参考)
衆議院議員選挙区画定審議会設置法 第3条
前条の規定による改定案の作成は、各選挙区の人口の均衡を図り、各選挙区の人口(官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口をいう。以下同じ。)のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が2以上とならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。

憲法改正草案 第54条 (衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会)

(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会)
憲法改正草案第五十四条
衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。


衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、
衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に、
特別国会が召集されなければならない。


衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、
参議院の緊急集会を求めることができる。


前項ただし書の緊急集会において採られた措置は、
臨時のものであって、次の国会開会の後十日以内に、
衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。
現行憲法
〔新設〕

第五十四条
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、
衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、
国会を召集しなければならない。


衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、
参議院の緊急集会を求めることができる。


前項但書の緊急集会において採られた措置は、
臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、
衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。


憲法改正草案 第64条の2 (政党)

(政党)
自民党改憲案第六十四条の二
国は、政党が議会制民主主義に不可欠の
存在であることに鑑み、その活動の公正の確保
及びその健全な発展に努めなければならない。



政党の政治活動の自由は、保障する。


前二項に定めるもののほか、
政党に関する事項は、法律で定める。

〔新設〕




〔新設〕


〔新設〕


【Q23】
その他、国会に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (64条の2 政党)
 政党については、現行憲法に規定がなく、政党法も存在せず、法的根拠がないので、政治団体の一つとして整理されてきましたが、政党は現代の議会制民主主義にとって不可欠な要素となっていることから、憲法上位置付けたものです

 憲法にこうした規定を置くことにより、政党助成や政党法制定の根拠になると考えます。政党法の制定に当たっては、党内民主主義の確立、収支の公開などが焦点になるものと考えられます。

憲法改正草案 第70条 (内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職等)

(内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職等)
自民党改憲案第七十条
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員の
総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、
内閣は、総辞職をしなければならない。


内閣総理大臣が欠けたとき、
その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、
内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、
臨時に、その職務を行う。
現行憲法第七十条
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員
総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、
内閣は、総辞職をしなければならない。


〔新設〕




【Q25】
内閣総理大臣の職務の臨時代行の規定を置いたのは、なぜですか?

【自民党の答】
 内閣総理大臣は、内閣の最高責任者として重大な権限を有し、今回の草案で、その権限を更に強化しています。そのような内閣総理大臣に不慮の事態が生じた場合に、「内閣総理大臣が欠けたとき」に該当するか否かを誰が判断して、内閣総辞職を決定するための閣議を誰が主宰するのか、ということが、現行憲法では規定が整備されていません。

 しかし、それでは危機管理上も問題があるのではないか、指定を受けた国務大臣が内閣総理大臣の職務を臨時代行する根拠は、やはり憲法上規定すべきではないか、との観点から、今回の草案の70条2項では、明文で「内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、臨時に、その職務を行う」と規定しました。

 「内閣総理大臣が欠けたとき」とは、典型的には内閣総理大臣が死亡した場合、あるいは国会議員の資格を失ったときなどをいいます。「その他これに準ずる場合として法律で定めるとき」とは、具体的には、意識不明になったときや事故などに遭遇し生存が不明になったときなど、現職に復帰することがあり得るが、総理としての職務を一時的に全うできないような場合を想定しています。

憲法改正草案 第72条 (内閣総理大臣の職務)

(内閣総理大臣の職務)
自民党改憲案第七十二条
内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督し、
その総合調整を行う



内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、
並びに一般国務及び外交関係について国会に報告する。


内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する。

現行憲法
〔新設〕


第七十二条
内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、
一般国務及び外交関係について国会に報告し、
並びに行政各部を指揮監督する。

〔新設〕


【Q24】
内閣総理大臣の権限を強化したということですが、具体的には、どのような規定を置いたのです

【自民党の答】
現行憲法では、行政権は、内閣総理大臣その他の国務大臣で組織する「内閣」に属するとされています。内閣総理大臣は、内閣の首長であり、国務大臣の任免権などを持っていますが、そのリーダーシップをより発揮できるよう、今回の草案では、内閣総理大臣が、内閣(閣議)に諮らないでも、自分一人で決定できる「専権事項」を、以下のとおり、3つ設けました

 (1)行政各部の指揮監督・総合調整権
 (2)国防軍の最高指揮権
 (3)衆議院の解散の決定権

(1)行政各部の指揮監督・総合調整権

 現行憲法及び内閣法では、内閣総理大臣は、全て閣議にかけた方針に基づかなければ行政各部を指揮監督できないことになっていますが、今回の草案では、内閣総理大臣が単独で(閣議にかけなくても)、行政各部の指揮監督、総合調整ができると規定したところです。


(2)国防軍の最高指揮権

 72条3項で、「内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する」と規定しました。内閣総理大臣が国防軍の最高指揮官であることは9条の2 第1項にも規定しましたが、内閣総理大臣の職務としてこの条でも再整理したものです。内閣総理大臣は最高指揮官ですから、国防軍を動かす最終的な決定権は、防衛大臣ではなく、内閣総理大臣にあります。また、法律に特別の規定がない場合には、閣議にかけないで国防軍を指揮することができます。


(3)衆議院の解散の決定権

 54条1項で、「衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する」と規定しました。かつて、解散を決定する閣議において閣僚が反対する場合に、その閣僚を罷免するという事例があったので、解散の決定は、閣議にかけず、内閣総理大臣が単独で決定できるようにしたものです。
 なお、この規定で「7条解散(今回の草案では、条の移動により「6条解散」になります)、すなわち内閣不信任案が可決された場合以外の解散について明示すべきだ。」という意見もありましたが、「それは憲法慣例に委ねるべきだ。」という意見が大勢であり、この規定に落ち着きました。


憲法改正草案 第79条 (最高裁判所の裁判官)

(最高裁判所の裁判官)
自民党改憲案第七十九条
最高裁判所は、その長である裁判官及び
法律の定める員数のその他の裁判官で構成し、
最高裁判所の長である裁判官以外の裁判官は、
内閣が任命する。


最高裁判所の裁判官は、その任命後、
法律の定めるところにより、
国民の審査を受けなければならない



前項の審査において罷免すべき
とされた裁判官は、罷免される。

〔削除〕

最高裁判所の裁判官は、
法律の定める年齢に達した時に退官する。


最高裁判所の裁判官は、
全て定期に相当額の報酬を受ける。
この報酬は、在任中、分限又は懲戒による場合
及び一般の公務員の例による場合を除き、

減額できない。
現行憲法第七十九条
最高裁判所は、その長たる裁判官及び
法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、
その長たる裁判官以外の裁判官は、
内閣でこれを任命する。


最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて
行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、
その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員
総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免
を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

審査に関する事項は、法律でこれを定める。

最高裁判所の裁判官は、
法律の定める年齢に達した時に退官する。


最高裁判所の裁判官は、
すべて定期に相当額の報酬を受ける。
この報酬は、在任中、

これを減額することができない。

【Q26】
裁判所と司法権に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】
(最高裁判所裁判官の国民審査について)
現行憲法79条2項から4項までに、最高裁判所裁判官の国民審査に関する規定が置かれています。しかし、現在まで国民審査によって罷免された裁判官は1人もいないなど、その制度が形骸化しているという批判がありました。そこで、憲法改正草案では、国民審査の方法は憲法では定めず、法律で定めることとしました(79条2項)。 国民審査を国民に分かりやすいものにするのは簡単ではありませんが、このように規定することで、立法上工夫の余地が出てくると考えます。

(裁判官の報酬の減額について)
現行憲法79条6項では、裁判官の報酬は在任中減額できないこととされています。しかし、最近のようにデフレ状態が続いて公務員の給与の引下げを行う場合に解釈上困難が生じていますし、また、懲戒の場合であっても報酬が減額できないという問題があります。こうしたことから、憲法改正草案では、79条5項後段に「この報酬は、在任中、分限又は懲戒による場合及び一般の公務員の例による場合を除き、減額できない」と規定し、解決を図りました

憲法改正草案 第83条 (財政の基本原則)

(財政の基本原則)
自民党改憲案第八十三条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に
基づいて行使しなければならない。


財政の健全性は、法律の定めるところにより、
確保されなければならない。
現行憲法第八十三条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に
基いて、これを行使しなければならない。


〔新設〕


【Q27】
財政に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (財政健全主義の規定)
 83条に新しく2項を加えて、「財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない」とし、財政の健全性を初めて憲法上の価値として規定しました。具体的な健全性の基準は、わが党がかつて提出した「財政健全化責任法案」のような法律で規定することになります。

憲法改正草案 第92条 (地方自治の本旨)

(地方自治の本旨)
自民党改憲案第九十二条
地方自治は、住民の参画を基本とし、
住民に身近な行政を自主的、自立的かつ
総合的に実施することを旨として行う。



住民は、その属する地方自治体の
役務の提供を等しく受ける権利を有し、
その負担を公平に分担する義務を負う。

〔新設〕




〔新設〕



【Q30】
地方自治については、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (92条 地方自治の本旨)
92条において、地方自治の本旨に関する規定を新設しました。従来「地方自治の本旨」という文言が無定義で用いられていたため、この条文において明確化を図りました。また、自治の精神をより明確化するため、これまで「地方公共団体」とされてきたものを、一般に用いられている「地方自治体」という用語に改めました。

94条 地方自治体の議会及び公務員の直接選挙
94条は、地方自治体の議会及び公務員の直接選挙に関する規定です。「地方自治体の住民であって日本国籍を有する者が直接選挙する」と規定し、外国人に地方選挙権を認めないことを明確にしました

96条 地方自治体の財政及び国の財政措置
96条に地方自治体の財政に関する規定を新設しました。地方自治が自主的財源に基づいて運営されることなどを規定しました。

憲法改正草案 第93条 (地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等)

(地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等)
自民党改憲案第九十三条
地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する
広域地方自治体とすることを基本とし、
その種類は、法律で定める。



地方自治体の組織及び運営に関する基本的事項は、
地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。


国及び地方自治体は、法律の定める
役割分担を踏まえ、協力しなければならない。
地方自治体は、相互に協力しなければならない。
現行憲法
〔新設〕



第九十二条
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、
地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。


〔新設〕



【Q30】
地方自治については、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (93条 地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等)
 93条は、地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等についての規定です。1項で「地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する広域地方自治体とすることを基本とし、その種類は、法律で定める」と規定し、現行憲法で言及されていなかった地方自治体の種類や、地方自治が二層制を採ることについて言及しました。 「基本と」するとは、基礎地方自治体及び広域地方自治体以外にも、地方自治体には、一部事務組合、広域連合、財産区などがあることから、そのように規定したものです。 3項では、東日本大震災の教訓に基づき、「国及び地方自治体は、法律の定める役割分担を踏まえ、協力しなければならない。地方自治体は、相互に協力しなければならない。」と規定し、国と地方自治体間、地方自治体同士の協力について定めました

【Q31】
道州制について、どう考えているのですか?

【自民党の答】
道州制については、今回の憲法改正草案には直接盛り込みませんでした。しかしながら、道州はこの草案の広域地方自治体に当たり、この草案のままでも、憲法改正によらずに立法措置により道州制の導入は可能であると考えています。

憲法改正草案 第94条 (地方自治体の議会及び公務員の直接選挙)

(地方自治体の議会及び公務員の直接選挙)
自民党改憲案第九十四条
地方自治体には、法律の定めるところにより、
条例その他重要事項を議決する機関として、
議会を設置する。


地方自治体の長、議会の議員及び
法律の定めるその他の公務員は、
当該地方自治体の住民であって
日本国籍を有する者
直接選挙する。
現行憲法第九十三条
地方公共団体には、法律の定めるところにより、
その議事機関として
議会を設置する。


地方公共団体の長、その議会の議員及び
法律の定めるその他の吏員は、
その地方公共団体の住民が、

直接これを選挙する。

【Q32】
外国人の地方参政権について、どう考えているのですか?

【自民党の答】
 日本国憲法改正草案では、94条2項で「地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民であって日本国籍を有する者が直接選挙する」と規定し、「日本国籍を有する者」という文言を挿入することによって、外国人に地方選挙権を認めないことを明確にしました

 地方自治は、我が国の統治機構の不可欠の要素を成し、その在り方が国民生活に大きな影響を及ぼす可能性があることを踏まえると、国政と同様に地方政治の方向性も主権者である日本国民が決めるべきであります

 なお、外国人も税金を払っていることを理由に地方参政権を与えるべきとの意見もありますが、税金は飽くまでも様々な行政サービスの財源を賄うためのもので、何らかの権利を得るための対価として支払うものではなく、直接的な理由にはなりません。