【自民党憲法改正草案】見やすい対照表で現憲法との違いが分かる!

現行憲法と自民党の憲法改正草案を比較する。憲法改正草案とQ&Aは、自民党公式HP上のPDF 『憲法改正草案 Q&A』より転載。

憲法改正草案 第25条の3 (在外国民の保護)

(在外国民の保護)
自民党改憲案第二十五条の三
国は、国外において緊急事態が生じたときは、
在外国民の保護に努めなければならない。


〔新設〕


【Q19】
その他、国民の権利義務に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】
(3)在外国民の保護(25条の3)

グローバル化が進んだ現在、海外にいる日本人の安全を国が担保する責務を憲法に書き込むべきであるとの観点から、規定を置きました。



【参考】 イラン・イラク戦争
1985年にイラン・イラク戦争が勃発した際、イラクは「イラン上空の航空機を無差別に撃墜する」と発表した。各国はイラン在住の自国民を軍用機で救出したが、日本は自衛隊の海外派遣不可の原則のために、自衛隊機による救助が出来なかった。そのためイランの首都テヘランにいた日本人250名が、帰国できずに孤立した。

憲法改正草案 第25条の4 (犯罪被害者等への配慮)

(犯罪被害者等への配慮)
自民党改憲案第二十五条の四
国は、犯罪被害者及びその家族の人権
及び処遇に配慮しなければならない。

〔新設〕



憲法改正草案 第26条 (教育に関する権利及び義務等)

(教育に関する権利及び義務等)
憲法改正草案第二十六条
全て国民は、法律の定めるところにより、
その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。


全て国民は、法律の定めるところにより、
その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。
義務教育は、無償とする。


国は、教育が国の未来を切り拓ひらく上で
欠くことのできないものであることに鑑み、
教育環境の整備に努めなければならない。
現行憲法第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、
その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。


すべて国民は、法律の定めるところにより、
その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
義務教育は、これを無償とする。


〔新設〕



【Q17】
教育環境の整備について規定を置いたのは、なぜですか?

【自民党の答】
 憲法改正草案では、26条3項に国の教育環境の整備義務に関する規定を新設し、「国は、教育が国の未来を切り拓く上で欠くことのできないものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない」と規定しました。

 この規定は、国民が充実した教育を受けられることを権利と考え、そのことを国の義務として規定したものです。

 具体的には、教育関係の施設整備や私学助成などについて、国が積極的な施策を講ずることを考えています。

憲法改正草案 第28条 (勤労者の団結権等)

(勤労者の団結権等)
憲法改正草案第二十八条
勤労者の団結する権利及び団体交渉
その他の団体行動をする権利は、保障する。


公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、
法律の定めるところにより、前項に規定する権利の
全部又は一部を制限することができる。
この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、
必要な措置が講じられなければならない。
現行憲法第二十八条
勤労者の団結する権利及び団体交渉
その他の団体行動をする権利は、これを保障する。


〔新設〕





【Q18】
公務員の労働基本権の制約について規定を置いたのは、なぜですか?

【自民党の答】
 憲法改正草案では、28条2項に公務員に関する労働基本権の制限の規定を新設し、「公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない。」と規定しました。

 現行憲法下でも、人事院勧告などの代償措置を条件に、公務員の労働基本権は制限されていることから、そのことについて明文の規定を置いたものです。

憲法改正草案 第52条 (通常国会)

(通常国会)
憲法改正草案第五十二条
通常国会は、毎年一回召集される。


通常国会の会期は、法律で定める。
現行憲法第五十二条
国会の常会は、毎年一回これを召集する。


〔新設〕

【Q23】
その他、国会に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (52条 通常国会)
 52条は、通常国会についての規定です。今回の草案では、同条に2 項を設け、通常会の会期を「法律で定める」と規定しました。会期の延長については、特に規定を置答きませんでしたが、これも法律委任の中に含まれると解しています。

憲法改正草案 第54条 (衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会)

(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会)
憲法改正草案第五十四条
衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。


衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、
衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に、
特別国会が召集されなければならない。


衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、
参議院の緊急集会を求めることができる。


前項ただし書の緊急集会において採られた措置は、
臨時のものであって、次の国会開会の後十日以内に、
衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。
現行憲法
〔新設〕

第五十四条
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、
衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、
国会を召集しなければならない。


衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、
参議院の緊急集会を求めることができる。


前項但書の緊急集会において採られた措置は、
臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、
衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。


憲法改正草案 第64条の2 (政党)

(政党)
自民党改憲案第六十四条の二
国は、政党が議会制民主主義に不可欠の
存在であることに鑑み、その活動の公正の確保
及びその健全な発展に努めなければならない。



政党の政治活動の自由は、保障する。


前二項に定めるもののほか、
政党に関する事項は、法律で定める。

〔新設〕




〔新設〕


〔新設〕


【Q23】
その他、国会に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (64条の2 政党)
 政党については、現行憲法に規定がなく、政党法も存在せず、法的根拠がないので、政治団体の一つとして整理されてきましたが、政党は現代の議会制民主主義にとって不可欠な要素となっていることから、憲法上位置付けたものです

 憲法にこうした規定を置くことにより、政党助成や政党法制定の根拠になると考えます。政党法の制定に当たっては、党内民主主義の確立、収支の公開などが焦点になるものと考えられます。

憲法改正草案 第70条 (内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職等)

(内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職等)
自民党改憲案第七十条
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員の
総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、
内閣は、総辞職をしなければならない。


内閣総理大臣が欠けたとき、
その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、
内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、
臨時に、その職務を行う。
現行憲法第七十条
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員
総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、
内閣は、総辞職をしなければならない。


〔新設〕




【Q25】
内閣総理大臣の職務の臨時代行の規定を置いたのは、なぜですか?

【自民党の答】
 内閣総理大臣は、内閣の最高責任者として重大な権限を有し、今回の草案で、その権限を更に強化しています。そのような内閣総理大臣に不慮の事態が生じた場合に、「内閣総理大臣が欠けたとき」に該当するか否かを誰が判断して、内閣総辞職を決定するための閣議を誰が主宰するのか、ということが、現行憲法では規定が整備されていません。

 しかし、それでは危機管理上も問題があるのではないか、指定を受けた国務大臣が内閣総理大臣の職務を臨時代行する根拠は、やはり憲法上規定すべきではないか、との観点から、今回の草案の70条2項では、明文で「内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、臨時に、その職務を行う」と規定しました。

 「内閣総理大臣が欠けたとき」とは、典型的には内閣総理大臣が死亡した場合、あるいは国会議員の資格を失ったときなどをいいます。「その他これに準ずる場合として法律で定めるとき」とは、具体的には、意識不明になったときや事故などに遭遇し生存が不明になったときなど、現職に復帰することがあり得るが、総理としての職務を一時的に全うできないような場合を想定しています。

憲法改正草案 第72条 (内閣総理大臣の職務)

(内閣総理大臣の職務)
自民党改憲案第七十二条
内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督し、
その総合調整を行う



内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、
並びに一般国務及び外交関係について国会に報告する。


内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する。

現行憲法
〔新設〕


第七十二条
内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、
一般国務及び外交関係について国会に報告し、
並びに行政各部を指揮監督する。

〔新設〕


【Q24】
内閣総理大臣の権限を強化したということですが、具体的には、どのような規定を置いたのです

【自民党の答】
現行憲法では、行政権は、内閣総理大臣その他の国務大臣で組織する「内閣」に属するとされています。内閣総理大臣は、内閣の首長であり、国務大臣の任免権などを持っていますが、そのリーダーシップをより発揮できるよう、今回の草案では、内閣総理大臣が、内閣(閣議)に諮らないでも、自分一人で決定できる「専権事項」を、以下のとおり、3つ設けました

 (1)行政各部の指揮監督・総合調整権
 (2)国防軍の最高指揮権
 (3)衆議院の解散の決定権

(1)行政各部の指揮監督・総合調整権

 現行憲法及び内閣法では、内閣総理大臣は、全て閣議にかけた方針に基づかなければ行政各部を指揮監督できないことになっていますが、今回の草案では、内閣総理大臣が単独で(閣議にかけなくても)、行政各部の指揮監督、総合調整ができると規定したところです。


(2)国防軍の最高指揮権

 72条3項で、「内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する」と規定しました。内閣総理大臣が国防軍の最高指揮官であることは9条の2 第1項にも規定しましたが、内閣総理大臣の職務としてこの条でも再整理したものです。内閣総理大臣は最高指揮官ですから、国防軍を動かす最終的な決定権は、防衛大臣ではなく、内閣総理大臣にあります。また、法律に特別の規定がない場合には、閣議にかけないで国防軍を指揮することができます。


(3)衆議院の解散の決定権

 54条1項で、「衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する」と規定しました。かつて、解散を決定する閣議において閣僚が反対する場合に、その閣僚を罷免するという事例があったので、解散の決定は、閣議にかけず、内閣総理大臣が単独で決定できるようにしたものです。
 なお、この規定で「7条解散(今回の草案では、条の移動により「6条解散」になります)、すなわち内閣不信任案が可決された場合以外の解散について明示すべきだ。」という意見もありましたが、「それは憲法慣例に委ねるべきだ。」という意見が大勢であり、この規定に落ち着きました。


憲法改正草案 第83条 (財政の基本原則)

(財政の基本原則)
自民党改憲案第八十三条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に
基づいて行使しなければならない。


財政の健全性は、法律の定めるところにより、
確保されなければならない。
現行憲法第八十三条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に
基いて、これを行使しなければならない。


〔新設〕


【Q27】
財政に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (財政健全主義の規定)
 83条に新しく2項を加えて、「財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない」とし、財政の健全性を初めて憲法上の価値として規定しました。具体的な健全性の基準は、わが党がかつて提出した「財政健全化責任法案」のような法律で規定することになります。